都心部では、狭小住宅さえ入手は難しい

一般的に狭小住宅と呼ばれるのは、大辞林によると、「5~15坪程度の狭い土地や三角形などの変形地に縦ら有れる一戸建ての住宅」とありますが、実際には5坪で人が住めるとも思えませんし、20坪でも狭小ですし、もう少し数字が上の坪数でも狭小と呼んで良いのかもしれません。

狭小住宅とはいいますが、地方と違って土地の坪単価が高い都心部では、狭小住宅といわれるような物件でもサラリーマンにとっては高値の花。

そもそも土地の広ささえ確保することが難しいのですから。どうしても都心部では、狭小住宅になってしまう傾向は否めないのです。
年収が決まっていて、その中でしか家が買えないのであれば、いかに狭い土地を有効に活用し、いかに空間を上手く活用することができるのかにかかっているといっても過言ではないのです。

しかも、建築資材や設備もなるべくコストダウンさせようと思えば設計も大事で、いかに採光に注意した設計をしてもらうか、使いやすい間取りにしてもらうかなどに工夫をしないと、狭小住宅さえ手に入れることは都心部ではままならないのです。

狭小住宅だからこそ、楽しむ

坪数だけ捉えると狭小住宅は確かに狭いですから、住みにくそうに思えるかもしれませんが、そうとも限らないのです。
逆転の発想で、住宅展示場で見るようなありきたりのパーツを組み合わせた形ではできないからこその、おもしろい構造の住まいを作り出すことが可能なこともあります。

そう考えれば、暮らすことが楽しくなってくるでしょう。いろいろな希望も叶えらます。

例えば、中庭のある開放的なスペースが欲しい、ホームバーを楽しめるカウンターが欲しい、独立型のキッチンが欲しい、壁の質感が引き立つ間接照明が欲しいなどといった、一般的な間取りが確保できる家と同じような希望も、設計次第で個性的な形となって叶うでしょう。

「狭い」のひと言で終わらせてしまうのは実にもったいないことで、楽しむ余裕が面白い空間を実現させるのです。